差し歯の代表セラミックとジルコニアの特徴と値段差

オールセラミック

差し歯といえばセラミックですが、近年はジルコニアも注目を集めています。

この素材は利点が豊富で魅力が強く、比較や検討に値する価値があります。

値段はややアップしてしまいますが、金額に負けない良さや違いを有します。

ジルコニアは強度が高く、金属とセラミックを上回る強さを持ちます。

噛み合わせにも耐えられるほどなので、奥歯に使うことも可能ですし、実際に使用しても破損する恐れは殆どないです。

別名白い金属と呼ばれていますから、負担が掛かる部分の治療においても、頼もしい素材だといえるでしょう。

ジルコニアの特徴

口の中には酸性やアルカリ性の飲食物が入れられたり、熱い飲み物を含むこともあります。

口内環境は意外と厳しいですから、軟弱な素材では耐久性に問題が生じます。

その点、安定性の高いジルコニアであれば、過酷な状況下でも優れた性能を発揮します。

具体的には、変色が発生しにくく茶渋などの着色も起こらないことです。

元の白い質感が長期的に保たれるので、変色に不安や抵抗感がある人でも大丈夫です。

耐久性が高いとされる材料ですが、それでも条件次第では変化が生じてしまいます。

ジルコニアは素材自体が安定しているので、環境の過酷さや変化の影響を受けないわけです。

歯医者が自信を持って提供する素材なので、保証期間を用意していたり、提供を行っているクリニックも少なくないです。

クリニックごとに内容や条件は違いますが、こうした点でも安心感が得られるのは良質な素材ならではの良さです。

ジルコニアの弱点やデメリット

しかしいくら理想的な素材とはいっても、ジルコニアにも弱点やデメリットはあります。

歯を削り取る量が増えてしまう点は、セラミック単体よりも気になる欠点になり得ます。

構造上厚みが増すのは避けられないので、歯を大きく削る差し歯に抵抗感があるなら不向きです。

治療の現場では長期的なデータが少なく、治療後の状態について不明な点が多いのもデメリットです。

初めて治療に使われるようになったのは、薬事法で認可された2005年以降のことです。

まだ20年の実績もありませんから、長期の信頼性に関しては他の素材に譲ります。

ただし、年間500万本以上の治療実績があるのは十分な判断材料で、信頼に値するデータと見ることができます。

値段の高さは、治療を検討する際に立ちはだかるハードルとなります。

1本8万円以上の費用が発生するセラミックに対して、ジルコニアは13万円以上と高額な傾向です。

材質や仕上がりを考慮するとやむを得ませんが、1本でこれほどの価格差があると選択を悩ませます。

前歯と奥歯で素材を変える

露出が多い前歯と耐久性が必要な奥歯には後者、それ以外は前者と使い分けることで、費用を抑える結果が実現します。

あるいはハイブリッドタイプの差し歯の併用によって、適材適所の歯科治療を実現することもできます。

素材的に値段が高いことは、質の良さや差し歯への適合性を考えると仕方のない部分です。

セラミックすらも凌駕する理想的な素材なので、値段については目を瞑る必要があります。

耐用年数は5年から10年といったところで、従来の被せ物に満足できない場合に向いています。

変色やアレルギーは原理的に起こりませんし、矯正装置不使用で歯並びを治せる利点も得られます。

治療期間が短く済むメリットもありますから、短期間で美しい歯を求める人に最適です。

ネックは値段位なものなので、それさえ乗り越えられれば最有力の候補となります。

とは言え、複数の歯を治療するとなると1本の値段は勿論、総額も決して安くは収まらないでしょう。

総合力では他を圧倒しますが、コストという欠点を持ち合わせているので、何を重視するか検討して選ぶことが肝心です。

Posted by ふすま