差し歯に使うセラミックの特徴や種類

オールセラミック

差し歯は歯を削って土台を作りそこにクラウンを差し込むという治療法で、保険が適用するものとしないものがあり、保険適用外のものは高価なので多くの人が保険適用内での治療を行います。

保険が適用するのは前歯の白い歯と奥歯の金属の歯で、硬質レジンジャケット冠というプラスチック製の白い歯が、真ん中の歯から犬歯までの6本と特別な場合のみ小臼歯までが保険適用内ででき、硬質レジン前装冠という表面は白いプラスチックで中や裏は金属でできているものは犬歯から犬歯までの6本までが保険内で可能です。

犬歯以降の奥の大きな口をあけないと見えない部分は、金属の歯が保険を使い数千円で治療ができます。

しかしこれらの素材の歯は強度が弱く割れたりすり減ったりしやすいことや金属アレルギーの人には使えないというデメリットがあるので、第一小臼歯と第二小臼歯にのみプラスチックのレジンとセラミックを合わせ、レジンよりも強度が高いハイブリッド冠が保険適用できるようになりました。

このような保険適用内で治療ができる差し歯は、時間の経過とともに劣化し変色や着色が目立ってきたり、金属が入っているものは笑った時に見えるなどの不具合も出ていきます。

そのため高価ですが劣化の心配がなく丈夫できれいに見えるセラミックの差し歯にする治療を希望する人も多くなってきました。

差し歯に使うセラミックの特徴や種類

オールセラミック

保険適用外ですがそのような差し歯にはいくつかの種類があります。

1つ目はオールセラミックです。

素材は陶器で自然の歯のような透明感があるため違和感がありません。

また劣化することもなく耐久性に優れているのですが、金属を使っていないので強度はそれほど強くありません。

しかし一つのクラウンがすべてその素材でできているので前から見ても裏から見ても自然な歯の色で、1本8万円から15万円くらいです。

保険適用のレジンより強度が強く見た目もきれいな白い歯にしたい、歯の変色は困る、金属アレルギーがあるという人に適しています。

メタルボンド

2つ目はメタルボンドで、金属のフレームにセラミックが焼き付けられているものです。

色や透明感は少し劣りますが、金属が入っている分強度が非常に強く耐久性にも優れていて奥歯の治療に適しています。

金属の部分は貴金属なので銀歯と言われるものよりも金属アレルギーのリスクを抑えることができます。

歯の神経を採って歯が黒ずんできた人や金属が見えるのが気になるという人におすすめで、1本あたりは8万円から15万円です。

ジルコニア

3つ目はジルコニアというもので、人工ダイヤモンドとも言われる素材でできています。

セラミックの中でも一番耐久性に優れ、体にやさしい素材です。

金属を使用していないの金属アレルギーの人にも安心です。

見た目もきれいで変色などの劣化はなく1本当たり10万円から20万円と他の素材よりも高価です。

歯ぎしりや噛み合わせが悪く差し歯の損傷が心配という人、金属アレルギーのある人、以前金属入りのものを前歯に入れ歯茎の付近に金属が見えて困ったという人におすすめです。

ハイブリッドレジン

4つ目は小臼歯には保険適用となったハイブリッドレジン冠です。

保険適用外の部分の奥の治療に使う場合は高くなりますが、それでも1本当たり4万円から12万円程度なので他の素材に比べると安く済みます。

陶器ではないので変色など劣化する可能性はありますが、金属を使っていないのでアレルギーの心配はありません。

ラミネートベニア

5つ目はラミネートベニアというもので歯の表面を薄く削り薄いセラミックを貼り付ける治療方法です。

これは差し歯の治療ではありませんが、すき間を埋めたり歯並びを変えたりする治療に用いられます。

保険がきかない差し歯

これらの素材の人工歯を使うと自費で高額にはなりますが、色も形も歯並びもより美しくすることができ、本来のもののように仕上がります。

また一時的なホワイトニングのような治療でなく着色や変色の心配もなく白さを長期的に保つことが可能になります。

治療方法は歯を削った後に土台を作るか、以前被せ物があった場合はそれを取り除いて型を取ります。

患者様自身の歯を土台にするので、自分の歯を残すことができる治療です。

しかし土台にする部分が十分でない場合は人工の土台を作ることもあります。

そして型を取った後それに合わせて人工歯ができるまでの間は仮歯を付けて過ごすのですが、それはプラスチックでできていて強度が弱いので硬いものや粘着性のあるものを食べるときには注意が必要です。

それから本物ができてくると調節しながら装着をしていきます。

医療の機器や技術の進歩によって肉眼の数倍の大きさで拡大して、被せ物と歯茎のすき間を無くすことが可能になりました。

歯茎とのすき間がなくなると食べ物のかすが入りこんで歯垢になったりし、サイド虫歯になるのを防ぐことができます。

またラバーダムを必ず用いて治療をすることで防湿効果によって詰め物や被せ物の接着を強めるなどの工夫がなされています。

Posted by ふすま