セラミックとジルコニアの差し歯の寿命の違い

オールセラミック

セラミックとジルコニアは、歯科治療で利用される素材のことを意味します。

従来までは、差し歯を利用した治療を行うときには金属の素材を利用して行われていました。

しかし、こうした素材を利用するときには見過ごすことができない問題点がいくつもあったのです。

例えば、利用している金属の素材が徐々に腐食してしまうことです。

従来の金属を使った差し歯

差し歯の治療を行うときには、当然口内に金属を利用することになります。

被せ物にしたり詰め込んだりするときには、口の中に存在している様々な物質と接触する機会が増えていきますので、金属に変化が現れるようになります。つまり、溶けていってしまうのです。

素材として金属を用いている場合には、該当部分が黒く変色していきますので、見た目ですぐに状況がわかります。

それだけではなく、溶けた金属は口内の中に存在するわけですから、金属に対してアレルギー反応がある人は、口内に予測できない悪い影響が出てしまう可能性も否定できません。

金属を使った差し歯はアレルギーの人は利用できない

実際に、金属の素材を使った治療方法では拒絶反応に関する対策が不可欠でした。

元々アレルギーを有している人は利用できない治療方法だったのです。

また、耐用年数が実はそれほど長くはないというデメリットもあります。

確かに、金属はそのまま使うと相応の年月で利用できる代物です。

しかし、口内で利用する場合には金属にとっての弱電ある水分が大量に存在します。

水分に接触する機会が多いため、長くても10年程度しか寿命が持たず、見た目の審美性を考慮するのならば5年から7年程度しか差し歯として持たないこともあります。

セラミックやジルコニア

反対に、新しく登場したセラミックやジルコニアはそもそも金属ではないというメリットがあります。

セラミックというのは、簡潔に述べると陶磁器と同様の素材で作られている素材です。

金属ではないため、アレルギーを有している人に対しても簡単に使うことができるというメリットがあります。

また、見た目の美しさに大きな利点も存在します。

例えば、従来型の差し歯は汚れが付いてしまったときにはなかなかその汚れを除去することができません。

一方で、セラミックの汚れは簡単にとることができますので、接着してからであってもアフターケアで審美性を保ち続けることができます。

セラミックの寿命

ただ、耐久性に関しては若干の注意も必要です。

セラミックが陶磁器のような素材だと述べましたが、陶磁器と同様に外部からの圧力や刺激に弱い傾向があります。

この素材を利用する場合には、この素材に対する圧力がかからないように周囲の歯と接触しないように気を付けなくてはいけません。

仮に、周囲の歯と接触をしてしまうとその刺激によって素材が欠けてしまって、そのまま割れてしまうことも十分にあり得ます。

ですから、通常は手術を行う際にセラミックに触れないように周囲の健康的な歯を若干削っていき、刺激が与えられないように工夫をしなくてはいけないわけです。

それさえ注意をしておけば、寿命としては金属よりも長い10年以上は持つことになります。

ジルコニアの寿命

そして、このような素材よりもさらに丈夫なものだと考えられているのが、ジルコニアというものなのです。

ジルコニアは、一般的には人工ダイヤモンドのような扱いを受けています。

構内に接着しても溶けることがなく、強度が非常に高いので噛み合わせなど周囲の歯の環境をそれほど気にしなくても構いません。

実際の有用性に関しても、例えば従来型の素材は噛み合わせの調整に失敗をしてしまうとかなりの確率で割れてしまうことがありました。特に、力が良くかかる奥歯に関してはその度合いが大きく調整が難しかったという背景があります。

一方で、ジルコニアは力強く噛んだとしてもこうした割れたりするような可能性が低いです。

噛み合わせが悪くて割れてしまう危険性が存在するときには、強度不足を補うために金属で補強することが一般的でした。しかし、強度の高いこの素材ではそのような準備も必要にならなくなったわけです。

アレルギー反応も素材の寿命や強度も気にする必要がないため、もっと注目される素材の一つとして人気を集めています。

このような強みがあるため、歯科治療の中でも広い範囲に流用できるというメリットがあります。

審美的にも機能的にも優れたセラミックとジルコニアの差し歯

被せ物や詰め物を利用する際には、土台をつくるために補強が必要だったわけですから特定の空間や場所が必要でした。

こうなると、特定の場所でしか歯科治療ができなかったわけです。

一方で、セラミックやジルコニアは金属補強がない状態で使えるケースがありますので、より広い範囲で歯科治療に利用できます。

万能的な素材として様々な場面で流用されているわけです。

クリニックの中では、この素材での治療に関して保証を設けていることもありますので確認しておくと良いでしょう。

Posted by ふすま