歯のセラミック使用で知っておきたい値段と特徴
歯のクラウンやインレーの材質には、以前は金属が主流として使われていました。
一方、最近では白いことでも知られるセラミックが注目を集めており、大きく、見た目の美しさ、虫歯が再発しにくい、金属アレルギーの人でも使用できるというメリットを持ちます。
因みにクラウンは被せ物、インレーは詰め物のことを指し、クリニックによっては一部被覆冠、全部被覆冠、継続歯冠と分けることで全てをクラウンと呼ぶ場合もあります。
見た目の美しさから高い人気がある一方種類も多く、選ぶ際にはどのような特徴があるのか把握をしておくことが大切です。
種類によって耐久性や美しさは異なり、値段にも大きな差が出る場合があります。
セラミックの差し歯の種類
一般的には7種類が用いられており、それぞれ、ハイブリッド・E-MAX・メタルボンド・デイライト・オールジルコニア・ステインジルコニア・ジルコニアセラミックの名称が付けられています。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドはプラスチックにセラミック粉末を混ぜた素材になっており、粉末を極限まで混ぜることでプラスチックの欠点を補っています。
経済性は高いものの難点にプラスチックの特性が残ることがあり、色の付着や耐摩耗性で弱い面があります。
E-MAX
E-MAXは素材としては比較的新しく、ハイブリッドよりは耐久性・ツヤの持続などが高く経済面でも安価です。
一方、色の種類が限られているために細かな色合わせはすることができません。
メタルボンド
メタルボンドは昔から使用されている種類です。
耐久性が高いという特徴を持ち、欠点は、内側が金属で作られるために歯茎に黒っぽい影が出てしまうことがあります。
デイライト
デイライトは非常に美しく、見分けるのも難しい種類です。
難点としては耐久性に若干劣ることがあり、仕上りが美しいことで他とのギャップを強く感じさせてしまう場合があります。
ジルコニア
ジルコニアは、別名人工ダイヤモンドとも呼ばれています。
非常に硬いという特徴があり、天然の白さに比べ少し異なる雰囲気を持ちます。
これまで改良を施すことで審美性を高めており、ステインジルコニアは着色によるグラデーションを与えることで天然の白さに近づけています。
さらにジルコニアセラミックは透明感を持つなど審美性が高く、耐久性とのバランスも良い種類になっています。
それぞれの料金相場
値段はクリニックによっても異なり、相場にも幅があります。
例えばメタルボンドの場合ではクラウンが約10~20万円/1本、インレーでは約4~6万円/1本が相場です。
E-MAXではクラウンが約6~10万円/1本、インレーが約4~5万円/1本になり、デイライトの場合にはクラウンが約8~15万円/1本、インレーでは約3~5万円/1本かかります。
また、クラウンを被せる場合に神経が無いなど強度不足の場合ではコアと呼ばれる土台を使用することになり、ファイバーコアで1~3万円程度、ゴールドコアの場合も同様です。
ただコアでは保険が使える種類があり、レジンコアとメタルコアが該当します。
具体的にはレジンコアでは保険適用で430~470円、メタルコアでは630~760円と大幅に負担を抑えることができます。
費用がかかることで諦める人もいる
セラミックの難点はコスト面が大きく、費用がかかることで諦める人もいます。
基本的に保険適用はなく、仮に本数があれば、その分大きな出費につながることになります。
ただし、条件を満たせば適用になるケースがあり、種類としてはハイブリッドが該当します。
条件には2つあり、被せ物のみ、つまりクラウンの場合に適用され、前から4番目と5番目の歯のみとなります。
ハイブリッドの場合には、保険外では1本あたり約4~12万円が相場です。
3割負担とすれば約12,000円~36,000円で済むことになり、自費に比べ安い費用でセラミックを利用することが可能になります。