差し歯にオールセラミックを利用する際の寿命や強度を理解しておこう
差し歯にオールセラミックを利用しようと考えている人は、その寿命や強度に関して正確な知識を持っておくことが大切です。
虫歯などによって歯の状況を改善したい場合には、歯科治療を受けなくてはいけません。しかし、歯科治療で必要になる素材や詰め物の大半は金属であることが多いです。
金属を詰める場合、アレルギーを持っていればその時点で治療はできませんし、装着してから徐々に体調がおかしくなったときにはすぐにとらなくてはいけません。
セラミックの差し歯であれば金属アレルギーの方でも問題なく装着できますが、セラミックの歯の寿命が短いと思われている方も多いかもしれません。
オールセラミックの寿命や強度
通常、セラミックの寿命は10年前後であると考えられていますが、全体傾向で見ていくとそれ以上に長い年月で使い続けている人もいます。基本的に、保険の適用を受けることができる材質よりも長い期間で使い続けることができるメリットがあります。
ただ、生活環境によって寿命が異なる点があることには注意が必要です。例えば、終身をするときに歯ぎしりを良くする人です。歯ぎしりをしている人は、日常的に顎に力を入れる機会が多くなってしまいます。そのため、セラミックが壊れやすくなってしまうデメリットがあります。
同じ理由で、スポーツをしている人もセラミック歯の寿命が短くなってしまうことがあります。歯を食いしばって力を入れると、それだけ負担が口内にかかることになりますので、こうした違いに関しては気をつけておく必要があるのです。
差し歯の素材は色々ある
普通、虫歯の治療などに利用される素材には、様々な素材が準備されています。
保険適用になる一般的な素材としては、金属が使われています。金属に関しては、それほど長い期間で利用できるわけではありません。
これは、通常の強度の問題もありますが見た目の問題にも原因があります。
金属を利用して差し歯を作る場合には、その金属が腐食することを必ず考えなくてはいけません。口内に存在する金属は、唾液や食物に含まれている酸の影響によって徐々に溶けてしまう性質があります。溶けてしまった金属は変色して黒っぽい色になり審美性が損なわれてしまいます。
奥歯など見えづらい位置に差し歯が存在するときにはそれほど大きな問題にはなりません。しかし、前歯など他人から見えやすい位置にあるときには、強度を含めて比較的早い段階で変えなくてはいけなくなることもあります。ですから、普通はそれほど長い時間で利用できるわけではありません。
セラミックの歯は長く使用できる
一方で、セラミックに関してはそもそも金属が利用されているわけではありませんので変色しないというメリットがあります。汚れなどが付着したとしてもクリーニングを行うことによってすぐに白くすることもできます。
通常の差し歯では、一度色が変色してしまうと金属の劣化を外から手直しすることは非常に難しくなります。これに対して、金属ではない素材を利用すればアフターケアが非常に楽になります。わざわざ歯科治療に再度いかなくても綺麗な歯を保ち続けることができるわけです。
扱い方には注意が必要
ただ、強度が強くて寿命が長いとは言っても扱い方に関しては注意をしなくてはいけないことに変わりはありません。
そもそも、セラミックという素材は外圧に弱いという弱点があります。なので硬いものをセラミックの歯で噛まないように気をつける必要があります。とは言え、日常生活で口にする食べ物であれば特に意識することなく噛んでも大丈夫です。
また、加齢の影響も考える必要があります。
加齢によって顎の力が弱くなってきて口周りの筋肉や口内環境が悪くなってしまうこともあり得ます。こうなると、自然と歯茎が下がってきてしまうことになるため、装着していた土台の境目が見えてしまうこともあります。
この場合には、当然ですがもう一度治療を行って現在の歯茎やあごの状況にあわせて最適なものにしなくてはいけないのです。
まとめ
セラミックが保険適用外の素材よりも長持ちして強度が高いことは間違いありません。しかし、使い方を間違ってしまうと意味がないということをきちんと理解しておく必要があります。
通常の金属の耐用年数は平均すると7年程度であると考えられています。これは、上記の通り口内環境によって金属が溶け出して自然と再治療をしなくてはいけなくなるからです。こうした再治療の必要性が低いのが、保険適用外の差し歯の治療の魅力です。
長い期間で使いたい人は、こうした治療方法が向いていると判断できます。